発咳について
はじめに:咳(発咳)ってなに?
**発咳(はっがい)**とは、簡単に言うと「咳(せき)」のことです。
咳は、
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1日に1〜2回だけ出る軽いもの
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1日中続くつらいもの
まで、重さはさまざまです。
📌 大切なポイント
咳は「体に何か異常が起きているサイン」のひとつです。
特に喉から肺にかけての異常です。
咳の原因はこんなにたくさんあります
咳の原因は一つではありません。
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風邪などの軽い感染症
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気管支炎・肺炎
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気管虚脱・気管低形成などの体の構造の問題
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心臓の病気による肺水腫
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喘息(ぜんそく)
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肺の腫瘍(肺がん)
秋に咳が増えやすい理由
秋は徐々に気温が下がってきて、空気も乾燥してきます。
東洋医学(中医学)では、
秋=肺の季節
と考えられていて、肺や気道のトラブルが起きやすい時期です。
なぜ乾燥がよくないの?
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空気が乾燥する
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花粉・黄砂・ホコリが舞いやすくなる
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気道の粘膜が乾く
👉 その結果、
本来あるはずの防御力が下がり、咳が出やすくなります。
咳は「体を守るための反応」
咳は、
気管や肺に入った異物(ウイルス・細菌・ホコリなど)を
外に追い出すための防御反応
です。
ところが、気道が乾いていると…
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異物がうまく排出されない
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気道にとどまる
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炎症が起きる
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さらに咳が増える
という悪循環に陥ってしまいます。
よくある咳への3つの基本対策
① 加湿をする
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加湿器を使う
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室内の乾燥を防ぐ
👉 気道の粘膜が潤い、異物を外に出しやすくなります。
② 空気をきれいにする
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空気清浄機を使う
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ホコリ・花粉・微粒子を減らす
人はマスクができますが、犬や猫はできません。
だからこそ、
「家の中の空気環境」がとても大切
③ 体を冷やさない(適度に暖かく)
免疫細胞は、
ある程度の暖かさがないと十分に働けません。
目安は、
飼い主さんが「Tシャツ1枚でちょうどいい」と感じる温度
💡 電気代との相談にはなりますが、
病気予防の観点ではとても大切です。
犬と猫の「寒さ・暑さ」の話
よく言われるのは、
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猫:寒さに弱く、暑さに強い
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犬:寒さに強く、暑さに弱い
でも…
🐾 どの動物も「快適な温度」が一番
「強い」=「好き」ではありません。
秋口から、
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暖房
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加湿
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空気清浄
を始めることは、決して過保護ではありません。
⚠️ もし暖房を使わないなら、
飼い主さんも同じ環境の下、Tシャツ1枚で過ごしてみてください。
それで耐えられるなら犬や猫も耐えられるはずです。
それでも治らない咳は病院へ
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環境を整えて4〜5日たっても改善しない
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逆に咳が増えている
この場合は、
自己判断せず病院を受診しましょう。
ここからは原因別の咳のお話
気管低形成・気管虚脱による咳
気管ってどんな構造?
気管は、
輪っか状の軟骨が連なった「ホース」のような形状をしています。
気管低形成とは
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軟骨の輪が薄い・弱い
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気管がつぶれやすい
👉 急激な空気の流れによる陰圧で気管が扁平になり、炎症→咳が出ます。
急激な温度の変化も気管に刺激を与え、発咳の原因となります。
気管虚脱とは
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気管のつぶれた状態が連続して起きる
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気管がつぶれたまま元に戻らなくなる
⚠️ これは放置できません。
見分けるヒント
気管低形成
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喉を軽く押すとすぐ咳き込む
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興奮時にガーガー音がする
- しかし普段は普通
軽い低形成は珍しくありませんが、
❗ 常に「ガーガー」音がする
❗ 咳が止まらない
場合は治療が必要です。
心臓病による咳(肺水腫)
肺水腫は緊急状態です。
肺水腫とは?
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肺胞という酸素と二酸化炭素を交換する空間に水がたまる
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そのため酸素交換ができない
👉 苦しくなって、肺胞に貯まった水を出そうとして咳が出ます。
見逃さないポイント
- 咳+呼吸数の増加で判断
咳は常時出ていますが、心臓の働きが一番弱まる夜中から朝方が多くなります
安静時呼吸数の目安:
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正常:15〜20回/分
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危険:40回以上/分
⚠️ この二つの状態が見られたらすぐ病院へ。
喘息による咳(特に猫)
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免疫異常によるアレルギー
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乾いた咳が続く
軽度でも
何週間・何か月も続く
のが特徴です。
放置すると肺水腫に進行することもあります。
肺がんによる咳
肺がんは、
咳が出た時点で進行していることがほとんど
早期発見には、
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レントゲン
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超音波
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がん検査
などの定期検査が重要です。
まとめ:日々の観察がいちばんの予防
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咳の頻度
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呼吸数
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元気・食欲
小さな変化に気づくことが、
大きな病気を防ぐ第一歩です。
「いつもと違う」と感じたら、
早めに病院へ相談してくださいね