レプトスピラ感染症が北上してきているようです
もともとレプトスピラ感染症は多くが西日本で発症が認められていました。
それが近年神奈川県内で発症が報告されてきて、
神奈川県内でも発症報告が徐々に北上しているようです。
レプトスピラはスピロヘーターという細菌で、
身体のいたるところで増殖します。
主に腎臓で増殖することから尿への菌の排出が多いとされています。
レプトスピラを保菌し、媒介している動物としてはネズミが知られていますが、
他の哺乳動物でも感染します。
直接的な糞尿への接触が感染ルートの主流ですが、
雨降りで排せつ物が流れたあとできた水たまりなどにもレプトスピラはいる場合があるので、
雨降り後の散歩にも注意が必要となります。
飛沫でも感染しますので、レプトスピラが発生した地域での感染予防は
注意してできるものではありません。
なのでワクチン接種以外予防手段はないと思っていただいてもよいと思います。
レプトスピラは細菌なので抗生剤を投与すれば治療することは可能です。
ただし、どの段階で発見できるかで感染による臓器障害の程度は変わってきます。
感染した後の症状は多岐にわたり、特徴的な症状はありません。
なので、レプトスピラ感染症であるという診断は
血液検査により抗体価を調べるしかありません。
尿に細菌が出ているほど重度の感染を起こした場合には
尿検査で細菌を検出できることもありますが、
早期にレプトスピラだと診断するのは困難です。
調子が悪いという子たち全員にレプトスピラ感染症の検査を受けてもらうのは現実的ではありませんし、
抗体価の検査結果がでるまでに数日を要しますので、
もしレプトスピラに感染していたら、検査結果が出るまでに状態はさらに悪くなります。
では調子が悪くなっている子たちに
レプトスピラの感染かもしれないから抗生剤をとりあえず処方する
というのも過剰医療になる場合があります。
なので
治療はできても診断が難しいのであれば予防をしていくしかなくなります。
ワクチンがあるので、ワクチンを接種することによって
万が一レプトスピラに感染しても軽症で済ますことも可能です。
しかし、ワクチン接種によるデメリットの発現も認識しておかなければなりません。
じゃあどーすればいいの!
ってことになると思います。
これで大丈夫ですという100%の答えはありませんが、
一応の指針としては
まずはレプトスピラに今すぐかかる確率は低いので
しっかりと予防の必要性に関して考えてから行動するようにしましょう。
慌ててワクチン接種をする必要性は低いと思います。
その上で生活スタイルを考慮し決めてください。
外には一切出ません。
もしくはお散歩は周囲のコンクリートだけしか歩きません。
という子は今まで通りの生活をし、ワクチン接種は様子を見ていてもよいと思います。
散歩中に草むらに入ったり、土のあるところを歩いたり、他の子との接触が多い。
という子はワクチンを接種を検討していただいたほうが良いと思います。
ワクチンを接種するとしてもその副反応を最小限に抑える方法はありますので、
ご希望の方はその旨おっしゃっていただければ対応いたします。